『Focus Gold』の内容と利用方法

数学参考書

Focus Gold』(フォーカスゴールド)は啓林館から出版されている上級者向けの網羅形参考書です。豊富な例題,丁寧な解説,過去問を含む入試レベルの演習問題を多数収録している点など,同種の『赤チャート』と比べても甲乙つけがたい骨太の参考書ですが,それだけに使い手を選ぶ側面もあります。

スポンサーリンク

内容

各節の初めには基本事項を丁寧に解説する「まとめ」があり,それに続いて教科書レベルが理解できているかを確認する「Check!」があります。その後は難易度別に4段階に分類された例題があり,類題としてそれぞれの例題に練習問題がついているという構成です。その他,節末には「Step Up」・「章末問題」が,さらに巻末には「チャレンジ編」「実践編」として入試レベルの問題が多数収録されており,巻末だけで問題集1冊分くらいの分量の問題があります。

「チャレンジ編」と「実践編」をきっちりとやりきることができれば,そのまま入試問題や過去問演習に突入できるくらいの実力が身につくでしょう。勉強方法や数学的な内容に関する「コラム」が充実しているのも見逃せないポイントです。

利用方法

Focus Gold』に限らず,一般的に網羅形参考書の場合は例題を中心に勉強するのが一番いいと思います。例題のみを集めた演習ノートが啓林館のWebショップから入手可能なので,このノートを利用して勉強を進めていくといいでしょう。

個人差はあるものの,練習問題も解こうとして時間がかかり先に進めなくなってしまい,演習量が確保できない,あるいはモチベーションが下がる人が多いようです。数学において,時間をかけてじっくり考えることが重要なのはいうまでもありませんが,完璧さを求めず,先にどんどん進んだ方が結果的に理解が深まる場合が少なくありません。

勉強し始めたばかりの頃は難しく感じても,ある程度先に進んでから振り返ると,拍子抜けするほどすんなりと理解できた,という経験がある人は少なくないのではないかと思います。先に進めば進むほど,その場ですべてを理解することは難しく(ほぼ不可能に)なりますから,ある程度わかったら先に進むという習慣をつけておいた方がいいです。特に高1~2であれば,「例題」・「Step Up」・「章末問題」を解いておけば十分な実力が身につくといえるでしょう。

数学が得意でもっと伸ばしたいという人は,「チャレンジ編」や「実践編」までやってもいいと思いますが,一通りの例題を学習し終えたら,理解度確認や気分転換をかねて問題集などに取り組んだ方がモチベーションを維持しやすいかもしれません。理解度確認や受験に向けての典型問題の解法習得・演習量確保のための問題集としては,『1対1対応の演習』をおすすめしています。

問題集などを終え,余力があれば,「チャレンジ編」や「実践編」に戻ってみると新しい発見があると思います。

対象者

上述のように参考書としての内容自体は素晴らしいのですが,使い方を間違えると大惨事になるという意味で,使い手を選ぶ本でもあるので注意が必要です。

数学が得意な人を除いて,一般の受験生にとっては難しすぎる内容も含まれています。利用方法でも述べたように,すべての問題を解くのではなく,あくまで例題を中心に解法の理解・定着を図るという意味であれば,難関大学を目指す理系・文系の受験生にとって非常に有益な参考書となるでしょう。

逆に,数学が苦手,あるいは受験で数学を使わない予定の生徒さんにとっては,苦手意識を増幅させる可能性がありますので,無理せず『白チャート』や『黄チャート』を使った方が良いと思われます。

その他のレベル,目的別参考書・問題集一覧については以下の記事をご覧ください。

玄々舎では暗記学習に特化した学習アプリ「Monoxer」を利用し、大学受験の英語・漢字・地歴公民の学習をサポートするサービスを提供しています。 ご興味のある方はこちらをご覧ください(リンクをクリックすると玄々舎ウェブサイトに飛びます)。

タイトルとURLをコピーしました