勉強は明確な目標を持つことから始めよう〜勉強の前提条件〜

学習法

「なんとなく惰性で日々の勉強に取り組んでいる」、「やる気がないわけではないけれど、なかなかやる気が出ない」、「机に向かったはいいが何をすればいいのかわからないまま時間が経っている」という悩みを持っている人は少なくないのではないでしょうか。現に私の生徒さんからも似たような声を聞くことがあります。

私がそうした悩みを持つ生徒さんにいつも言っているのは「明確な目標を設定することの大切さ」です。やる気の有無は、実はこの明確な目標があるかどうかという部分に大きく依存しています。明確な目標は勉強をする上で必須の前提条件であるとも言えるのです。

実際、東大や京大、医学部を始めとする難関大学に合格する生徒さんは明確な目標を持って日々の勉強に取り組んでいます。明確な目標があれば、やる気云々ということを考える余地がありません。その日その時に目の前にある課題に取り組めばいいだけです。こんな簡単なことはありません(残念ながら課題そのものは簡単にはなってくれませんが)。

今回は明確な目標を持つことのメリット、そして具体的な目標の立て方について書いていきたいと思います。なんとなく日々の勉強に取り組んでしまっている人はぜひお読みください。

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明確な目標を持つことによるメリット

すべきことが明確になる

明確な目標を持つことの第一のメリットは、日々の学習の中で何をすれば良いのか明確になるということです。毎日机に向かってから、「さて、今日は何をしよう」と考える人は多いのではないでしょうか。実はあれこれ考える時間は多くの人にとって無駄な時間でしかありません。何をしようか考えているうちに時間だけが過ぎていったり、スマホをいじり始めて気がつけば夜になってたりしている人も少なくないようです。

「やる気がないわけではないけれど、なんかやる気が出ない」というのもよく聞かれる声です。多くの場合、やる気が出ない原因は明確な目標がないことにあります。何をやればいいのかふわっとして明確になっていないから、なんとなくそのままだらだらとしてしまうわけです。その日にこなすべき内容や明確な目標が予め決まっていれば、あれこれ考える必要がありません。机に向かって目の前にあるその日の目標に取り組むだけです。

自分と目標との距離を測る

明確な目標を持つことの第二のメリットは、自分と目標との距離を測ることができるようになることです。目標が定まれば、その目標に対して今自分がどれくらい離れた距離にいるのかを計測できるようになります。計測するためのデータとしては学校の試験や模試、過去問などがあるでしょう。

目標までの距離がわかれば、その距離を縮めるために何をすればいいのか具体的な改善策を検討することができます。距離もわからず、改善策もないまま闇雲に勉強してもあまり意味がありません。特に受験勉強においては、自分と志望校との距離を常に意識することが大切です。受験勉強というのは志望校合格という目標を達成するための手段に過ぎません。手段である以上、無駄を徹底的に排除して、最大限効率的にしていく必要があります。

これは自己認識に関わる問題でもあり、勉強以外の面でも大いに役立つ能力です。今のうちに鍛えておけば受験以後も一生役立つ財産となるでしょう。

具体的な目標の立て方

明確な目標を立てることの重要性を認識してもらったところで、具体的な方法論の検討に移りましょう。ここでは勉強ということを想定して長期目標(1年〜)中期目標(3ヶ月〜半年)短期目標(1日〜1ヶ月)という3つの期間に分けて考えてみたいと思います。目標を立てる順番は「長期→中期→短期」です。逆算の論理で目標設定を進めることが重要なので、順番が逆にならないように注意してください。( )内の数字は目安ですから、実際はそれぞれの状況に応じて調整する必要があります。

長期・中期目標に関してはある程度漠然としたものでも構いません。先のことばかり考えて無駄な不安が生じたり、足元が疎かになってしまったりする可能性があるからです。その代わり、短期目標かなり具体性を持ったものに仕上げていく必要があります。

長期目標

長期目標と言われてまず思い浮かぶのは志望校将来の職業でしょう。しかし、これから社会に出て色々なことを経験していく中高生に、その時点でこれを明確に決めろというのは少々無理のある話です。将来の職業はもちろん、志望校や学部もはっきりしていないという人は多いと思います。

ですから長期目標はある程度漠然としたものでよく、途中で変わっても構いません。むしろ10代ということを考えれば変化して当然です。何かの経験をきっかけに、自分で考えた上で変更するのであれば、日々変わってもいいでしょう。まあ、あまりコロコロ変わると周りから信用されなくなる可能性はありますが、信用されたから志望校に合格できるわけではありませんので、必要以上に気にする必要はありません。

中期目標

中期目標は長期目標に基づき、目標に至る大まかな道順を決めるためのものです。具体的には学校の定期試験や模試、資格試験などをイメージしてください。例えば、「次の定期試験では校内順位を○番から○番まで上げよう」、「まずは主要教科で平均点以上を目指そう」、「○月の英検で○級に合格したい」といった目標の立て方が考えられます。短期目標を立てるためにはこの中期目標の設定が欠かせません

中期目標にも変更の余地はありますが、長期目標よりは具体的なものにした方がいいでしょう。上で挙げた例のように、順位や偏差値、級などの明確な数字を打ち出すとはっきりしてくるのではないかと思います。目標としていた試験などが終わったら、しっかりと結果を検証し、次の中期目標策定に向けて改善策を検討することが必要です。

短期目標

短期目標は中期目標に基づき、目標達成のために必要な日々の具体的な取り組みを決めるためのものです。ここからは長期目標・中期目標と違って具体性が求められてきます。短期目標は1ヶ月→1週間→1日という順番で組み立てていきましょう。

1ヶ月の目標としては、各教科の分野ごとの達成目標を設定します。例えば「今月は英文法を強化しよう」「数学は微分・積分を集中的にやろう」などです。

それが決まったら1週間単位の達成目標設定に移行します。例えば「問題集の○ページ〜○ページまでやろう」「この分野は習ってからしばらたっているからそろそろ復習しておこう」などといった目標設定が考えられるでしょう。

1週間単位の目標が決まったらいよいよ1日単位の目標設定です。1週間単位の目標から逆算して具体的に「どの日にどの教科のどの分野をどれくらいの分量進めるか」ということを決めていく必要があります。自分が使える時間をしっかりと確認し、無理のない分量を配分していくようにしましょう。

1つ注意して欲しいのですが、その日にやると決めたことは徹夜してでも終わらせなければいけない、と考える必要はありません。日々の予定に囚われ過ぎて無理をしてしまうと、翌日のパフォーマンスが低下し、全体の学習計画が狂う可能性があるからです。もし目標達成できない日が続くようであれば、そもそもの目標設定に問題がなかったのか見直しましょう。自分が処理できる限界を超えた量を設定していたのであれば、当然ながら達成できるわけもありません。なんの改善もしなければ、そのままの状態が延々と続いてしまうことになります。

中期目標の場合と同じく、それぞれの目標について検証・改善することが必要です。夜寝る前の5〜10分その日の取り組みを振り返る時間を作るといいでしょう。良い復習にもなります。翌日以降の課題を整理するための時間ですから、あまり長い時間をかける必要はありません。

最後に

この記事を通して目標を持つことの大切さ目標の立て方について、少し具体的なイメージを持ってもらえたでしょうか。文中でも述べたように、ここで示した期間などはあくまで目安に過ぎません。私の生徒さんの場合も、実際の運用にあたっては中期目標を1ヶ月、短期目標を1週間といった単位で設定することもあります。それぞれの生徒さんの学力や状況に依存するものなので、一概にこうだと決め付けることはできません。ぜひ各自で最適な目標設定方法を模索してください。

この記事を読んだ人が、試行錯誤しながら自分なりの目標を設定し、日々の勉強をより実りあるものにしていただければ何よりです。

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