中学以降伸び悩んでしまう人と中学以後も伸びる人との違い

勉強法

「小学校の頃のテストではいつも満点だったのに、中学に入った途端勉強ができなくなった」

「中学受験をして進学校や難関中学と呼ばれる学校に入ったのに、勉強についていけなくなった」

こうした人は多いのではないでしょうか?実際、私もこれまで同じような悩みを持つ多くの生徒さんを指導したり、親御さんの相談に乗ったりしてきました。

これは中学受験に限ったことではなく、例えば附属校で小学校から中学校に上がった生徒さんにもよく見られる光景です。それぞれ事情は違うので一概には言えないのですが、指導や相談を通じて多くの生徒さんたちと接するうちに、いくつか共通する特徴が見えてきました。

では小学校の勉強や中学受験以降伸び悩んでしまう人と、それ以降も伸びる人との違いは一体何なのでしょうか?

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小学校や中学受験以降伸び悩んでしまう人の特徴

特徴その1

小学校や中学受験以降伸び悩んでしまう人にまず共通している特徴は、小テストや定期試験などでその場しのぎの一夜漬け勉強を繰り返しているということです。自転車操業のようなやり方でその場その場は何とか乗り切れたとしても、長期的な視点から見れば学習内容の定着や学力の伸びを期待することはできません。

ではなぜこのような勉強を繰り返してしまうのでしょうか?

実は中学受験では一夜漬けの丸暗記に近いやり方でも志望校に合格できてしまうことがあります。高校受験や大学受験と比べれば合格するために必要な知識量は少ないからです。ただ、丸暗記で入学試験を乗り切った(乗り切れてしまった)生徒さんは、多くの場合中学以降の勉強で必要な思考力と勉強するための基礎体力が身についていません。

それでも中学に入って最初の頃の小テストや定期試験程度なら同じ方法でなんとか乗り切れるため、「中学受験の時にこのやり方で成功したから大丈夫」という間違った成功体験と意識を持ち続けてしまうことが少なくないのです。そのようなやり方が大学受験で通用するわけもなく、多くの人は成績が伸び悩んだ時に初めて自分の勉強法が適切でなかったことに気づきます。その時点で気付ければまだよいのですが、気付かないまま本番を迎えてしまう人も少なくありません。

また、附属校や公立小学校からそのまま中学に進学した生徒さんの場合、小学校での学習内容は中学以降のものと比べれば分量も少なく、特に学校内で行われるテストでは直前に丸暗記してしまえば簡単に高得点が取れるものばかりです(そもそもテストをしない学校もあります)。一夜漬けのようなその場しのぎの勉強で高得点を取ることは本来であれば「間違った成功体験」なのですが、親御さんもそれでよしとしてしまうと、お子さんはそれが「正しい勉強法」なのだと思い込んでしまいます。

一度こうした勉強習慣が身についてしまうとそれをなおすのは容易なことではありません。時間をかけて根気強く取り組み、成功体験に基づく本人の意識を少しずつ変えていかなくてはならないからです。お子さんが思春期に入ることを考えると、おそらく家庭内で行うことは難しいでしょう。適切な指導者のもとで意識改革に取り組むか、大きな失敗などの外的要因によって本人が意識を大きく変えるのを待つほかないと言えます。

特徴その2

もう1つこのグループの人たちに共通して言えることは、自分のそれまでのやり方に固執してしまう人が多いということです。一夜漬けで乗り切る勉強習慣が身についてしまうと、脳はその時々の状況に応じて自分の頭で考えて柔軟に対応するということをしなくなります。そのため、一夜漬けが通用しない段階になった時にどう対処したら良いのかわからなくなってしまうのです。

自分の勉強法に固執するのは変化に対する不安の裏返しとも言えます。それまで成功してきた方法を変えることに抵抗感を覚えるのは多くの人にとって自然なことです。勉強法を変えて上手くいかなかったらどうしよう、という不安から自分自身が変化することを躊躇してしまうのかもしれません。親御さんがテストの点数ばかりを気にして過度に競争心を煽ったり、他の子と比較したりするとさらに自体は悪化します。変化や失敗を恐れないよう声掛けをする必要があるでしょう。

中学以後も伸びる人の特徴

中学入学以後、あるいは大学入学後や社会に出てからも伸びる人に共通している特徴は興味のあることや疑問に思ったことを自分で調べ、自分の頭でとことん考える習慣が身についているということです。こうした習慣が身についている人たちはすぐに答えが分からなくても「なぜだろう?」という疑問を持ち続けます。答えがわからない問題を考え続けることは大人にとっても容易なことではなく、忍耐を必要とすることです。

この人たちはなぜそれができるのでしょうか?

それは苦労して辛抱強く考え続けた末に答えが得られたときに脳が感じる、とてつもない喜びを知っているからです。こうした喜び、楽しさはゲームなどで得られる刺激の何倍もの快感を脳に与えてくれます。さらに、この喜びは取り組んでいる問題の難易度が上がれば上がるほど増していくのです。一度この快感を味わった脳が更なる刺激と快感を求めて、より高みを目指そうとすることは言うまでもありません。こうした向上心はやる気へと繋がり、次々と良い循環を生み出していくのです。

また、とことん考え抜くことで思考力が養われるとともに、勉強するための基礎体力が身につきます。有名進学校出身者で高3の夏から本格的に受験勉強を始め、東大などに合格する人の話を聞いたことがあるかもしれません。それらの人たちは思考力や考えるための基礎体力が小学校あるいは中学・高校で培われており、あとは自分に合った勉強法で勉強に集中すれば良いだけの状態になっていると言うことです。

もちろん、いくらこうした能力を備えた人でも必ず成功できるというわけではありません。具体的な目標がないまま修行僧のように勉強を続けることはできないでしょうし、元々知的好奇心が強いためか、中学入学以後の数年間、勉強をほっぽり出して趣味に熱中していることもよくあります。それでもいざ目標が決まったときに爆発的な力を発揮できるのは、趣味に熱中することで元々身についてた能力にさらに磨きをかけており、基礎力という意味では準備万端の状態だったからです。

改善方法

それでは、中学入学以後に伸び悩んでいる人はどうすれば今の状況を改善できるのでしょうか?

まず自分がどちらのグループに属しているかを認識する必要があります。自分で変わろうと意識しない限り、人間は本当に変わることはできないからです。逆に言えば、本気で変わろうと思えば誰でも変わることができます。

大切なのはとことん自分の頭で考え抜くこと、そしてすぐに答えを見て分かった気になるのではなく、じっくり解説を読んで理解しようとすることです。ただ、このような習慣がない人にとって、これは言葉で言うほど簡単なことではありません。詰め込み式の勉強に慣れてしまった人は、すぐに答えを見てそれを丸暗記することで「分かったつもり」になってしまうからです。

新たな習慣が身につくまで、最低でも3ヶ月〜半年はかかります。これだけの時間をかける必要があることを認識し、じっくりと腰を据えて取り掛かるしかありません。突貫工事でやろうとしてもすぐにボロが出て、元の状態に戻ってしまうだけです。

他にも注意すべきことはあります。いくらお子さんが変わろうと言う気になっても、親御さんがその変化に積極的に関与できるのは小学生までと言うことです。中学生・高校生になると自我も発達しており、正論を言えば言うほど反発が起きます。親御さんの側から働きかけるのは極力避け、本当に助けを必要としている時以外は忍耐強く見守ったほうがいいでしょう。

人間は失敗から多くのことを学びます。そして、現状を変えようとするときに失敗は避けて通れません。失敗してもいい、そこから多くのことを学べばいい、そうした意識作りや環境づくりをしておくことも大切です。失敗から学ぼうとする姿勢を失わない限り、いつかきっと自分自身の力で成功にたどり着くことができるでしょう。

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