『出る! 出た! 英語長文』シリーズの内容と利用法

『出る! 出た! 英語長文』シリーズの内容と利用法 英語参考書

『出る! 出た! 英語長文』シリーズは、大学入試用の英語長文問題集です。「初級編」「中級編」「上級編」の3部作となっています。初版が2017年と比較的新しい問題集で、最近の大学入試でよく取り上げられる分野の英文が多数収録されています。音源がないのがネックですが、三部作を通して取り組む価値のある問題集です。

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『出る! 出た! 英語長文14選 初級編』

『出る! 出た! 英語長文14選 初級編』は『出る! 出た! 英語長文シリーズの第1作目となる大学入試用の英語長文問題集です。複数年度に渡って複数大学で出題された英文に触れることができます。「初級」といっても、あくまで大学入試における初級ですから注意しましょう。

内容

400語以下からなる14の英文が収録されています。どの英文も複数の大学で出題されたものですから、大学入試において好んで出題されるトピック、あるいは今後出題される可能性が高い英文に触れることができると考えていいでしょう。

問題編は別冊としてついており、14の問題の後に復習用の英文全文(白文)と全訳が掲載されています。問題を解いて終わりにするのではなく、英文の意味を理解したうえで全文を何回も読み直したり音読したりすると効果的です。

解答・解説編では、解答とそれぞれの設問に関する比較的丁寧な解説があります。正解の根拠や正解以外の選択肢の意味もきちんと説明されていますので、解説を読んで悩むということはあまりないでしょう。解説を読んでもちんぷんかんぷんな人は、英文法や英文解釈を先にやった方がよいかもしれません。

解説の後には、「各文の意味と構造」として段落ごとに1文ずつ取り上げ、各文の構造が詳細に分析されています。左ページではSVOCなどの「構造分析」と「文法&構造のポイント」、さらには「発展学習」として演習問題が掲載されており、右ページには「和訳」と「発展学習の解答・解説」という構成です。1文ずつ詳細に分析されているので、英文解釈があまり得意ではない人も文章構造をきちんと把握しながら読み進めることができます。

CDやダウンロード音源がないのが最大のマイナスポイントです。逆に言えば、それ以外に欠点らしき欠点は見当たりません。音源がないのは『やっておきたい英語長文』シリーズなど、河合塾の英語長文問題集に共通する欠点です。選ばれている英文の質は良いだけに残念に感じます。

音読練習の際にどうしても音源が欲しいという人は、まず『ハイパートレーニング』や『イチから鍛える』に取り組み、音読練習にある程度慣れてから『出る! 出た! 英語長文』シリーズに取り組むといいでしょう。

取り組む時期

3部作に取り組むのであれば高2の終わりか、遅くとも高3の5月までには終わらせましょう。1冊を仕上げる期間の目安は1か月~1か月半です。

『出る! 出た! 英語長文16選 中級編』

『出る! 出た! 英語長文16選 中級編』は、『出る! 出た! 英語長文シリーズの第2作目となる大学入試用の英語長文問題集です。初級編よりは少し長めの英文を読むことで、大学入試対策を行うだけでなく、各トピックに関する背景知識を仕入れることもできます。

内容

400~600語からなる16の英文が収録されています。どの英文も過去に複数の大学で出題されたもので構成されている点は初級編と同じです。大学入試において好んで出題される分野から質の高い英文が選ばれているため、純粋に読み物としても楽しめるでしょう。

問題編は別冊となっており、問題の後に復習用の英文全文(白文)と全訳が掲載されている点は『初級編』と同じです。文章の意味を理解した上で何回も読み直しましょう。

解答・解説編では解答とそれに関する丁寧な解説があります。解説の後に、各段落の英文を1文ずつ取り上げ、SVOCを始めとする詳細な構造分析がなされている点も初級編と同様ですが、初級編にあった発展問題はなくなっています。

取り組む時期

3部作に取り組む予定であれば、まだ『上級編』が残っています。これは高3の4月、遅くとも高3の6月までに終わらせましょう。1冊を仕上げる期間の目安は1か月~1か月半です。

『出る! 出た! 英語長文18選 上級編』

『出る! 出た! 英語長文16選 上級編』は『出る! 出た! 英語長文』シリーズの最終作となる大学入試用の英語長文問題集です。近年の大学入試で好んで出題されるトピックを中心に質の高い英文が集められているだけでなく、900語を超える英文もあります。語数が増加傾向にある最近の大学入試対策用問題集として非常におすすめの問題集です。

内容

600語以上からなる18の英文が収録されており、最長のものは937語(東京理科大、群馬大、関西大で出題)あります。どの英文も大学入試において好んで出題されるトピックの英文ばかりですし、質も高く読み応えのある文章ばかりです。

大学入試の英文においては、一般に語数が増加すると内容が複雑になり、それに応じて難度も上がっていきます。キーワードが様々な形で言い換えられ(パラフレーズされ)たり、伏線が張り巡らされていたりと、単純に英文が読めればそれで終わりではなく、読解力が試されることが多くなるので注意が必要です。ごく稀に本当に語数が増加しただけで内容がない英文も出題されるのですが、難関大学の入試ではそのようなことはまず起きません。

読んでいる途中で内容が分からなくなってしまう(=迷子になる)ことがよくある人は、キーワードにチェックを付けたり、段落ごとに一言メモのような要約を書き添えたりしておくと、問題を解くときに役立つでしょう。

初級編、中編と同じく、問題編は別冊となっており、問題の後に復習用の英文全文(白文)と全訳が掲載されています。復習の際は、徹底的に音読しましょう。解答・解説編では解答とそれに関する丁寧な解説があります。解説の後に、各段落の英文を1文ずつ取り上げ、SVOCを始めとする詳細な構造分析がなされている点も初級編、中級編と同様です。

取り組む時期

難関大学志望の人は高3の6月、遅くとも高3の8月までに終わらせましょう。1冊を仕上げるまでの期間の目安は約2か月です。

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