『やさしい理系数学』と『ハイレベル理系数学』の内容と利用法

『やさしい理系数学』と『ハイレベル理系数学』の内容と利用法 数学参考書

『やさしい 理系数学』は「やさ理」とも呼ばれ、理系難関大学合格を目指す受験生にとっては定番の問題集です。「やさしい」とありますが、あくまで難関大学を目指す人向けの問題集であり、全然「易しく」はありませんので注意しましょう。タイトルにだまされて入試準備を始めたばかりの人がやろうとすると、返り討ちにあって自信を喪失しかねません。

これは「入門」と書いてある大学の専門書と同じです。あくまでその分野の入門であって、まったくの初心者に対して懇切丁寧に解説するためのものではありません。

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内容

『やさしい』には、小問集合を含む50の例題と130の演習問題が15章に分けて掲載されています。1問1問が本格的で重たい問題ばかりです。それでも(『ハイレベル』と比べれば)『やさしい』には比較的短時間で解ける問題が多いほか、数Ⅲ分野が若干やさしめなので進めやすいと思います。網羅系参考書を仕上げ、受験における典型問題の解法は一通り習得してから取り組むべきでしょう。典型問題以外にも思考力や論証力が試される問題が多く収録されています。

別解が豊富なのもこの問題集の特徴の1つです。特に例題には別解が多数紹介されているものがあり、1つの問題に対して様々な角度からアプローチする方法を習得することができます。複数の別解が提示されることで、各自が自分に合った解法を見つけることができるのもポイントです。例題だけでもやり通して理解すれば、難関大受験で出てくる応用問題にも対応できるだけの解法を一通り習得することができます。

ただ、初めに書いたように多くの受験生にとってはまったく「やさしい」問題集ではありません。取り組む場合は、自分の得意・不得意分野や他の科目の進捗状況、目標などに応じて、予めどこまでやるかを明確にしておくことが大切です。

数学に自信があり、得点源にしたいという方は『ハイレベル』までやってもいいと思います。そうでない人は、『やさしい』だけ集中的にやって、あとは過去問や他の教科に時間を振り分けた方が建設的です。『ハイレベル』はあくまでも余力がある人が取り組むものと考えておきましょう。

取り組む時期

数学があまり得意でない、あるいは高2の間に網羅系参考書などが終わらなかった人は、なるべく高3の7月までに『やさしい』に入りましょう。おそらく4か月程度はかける必要があると思います。

数学が得意な人は高3の4月から『やさしい』を始め、3か月程度でこなした後、復習しながら高3の7月か8月頃に『ハイレベル』に突入するといいでしょう。

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