中学受験のための塾に入る前に身につけておきたいこと

中学受験

現在,灘や筑駒,男女御三家をはじめとする難関中学を受験する場合,塾に通うことは殆どのお子さんにとって必須だといえるでしょう。もちろん,中には家庭学習だけで難関中学に合格するお子さんもいらっしゃいます。実際,拙塾でも過去に,他の塾には一切通わず小5からの2年間,私の指導を週1回3時間受けただけで見事東京の難関国立中学に合格した生徒さんがいらっしゃいました。

しかし,これが極めてレアなケースであることは間違いありません。今後しばらくは,大手塾に入塾するということが多くのお子さんにとっての基本路線となるでしょう。

塾ごとの比較は別に機会に行いたいと思いますが,東京での難関中学受験に関してはサピックス独り勝ち状態で圧倒的な実績を誇っています。難関中学に入ってみたら,クラスの半数以上が元サピックス生だったという話もあるほどです。

関西圏では,浜学園が関東圏でのサピックスと同じような役割を担っています。サピックスと浜学園に共通するのは徹底した復習主義を貫いているところです。この復習主義によって学習の効率化を図っています。

しかし,では誰でもサピックスや浜学園に入れば,難関校に合格できるのかと言われれば当然ながらそんなことはありません。現に,サピックスに入ったはいいものの,途中からついていけなくなり,思うように成績を伸ばすことができず,並行して他の個別指導塾などに通わざるを得なくなる生徒は多くいらっしゃいます。塾で出される課題をこなし,上位クラスを維持するための能力や習慣を身につける前に入塾してしまうと,そうした事態が起こってしまうのです。

私は中学受験のための塾に入る時期は小4の2月からを推奨していますが,受験で親子共々潰れてしまわないためにも,小4までの間になるべく家庭学習でそうした能力を身につけておいてほしいからです。また,短期決戦にすることでお子さんや保護者の方の負担を最小限に抑えて欲しいという気持ちもあります。

今回は入塾前に身につけておいてほしい基本的な事柄について書きました。中学受験を考えているご家庭にとって参考になることがあれば幸いです。

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主体性

お子さんが挙げる志望校や将来の夢は,保護者の方の希望などの影響を受けてしまいがちです。最初はそれでも構わないのですが,中学受験をするという決断をするときは,親子で話し合い,きちんとお子さんの意志でどこを目指すのか将来何になりたいのか(先々変わっても構いません)を明確にした上で,そのための手段として主体的にどこの塾にするかを選ぶことが重要です。

例えば,小1から塾に入れてしまうというようなことをすると,お子さんが受け身になってしまい,与えられたものをただ機械的にこなすだけになってしまう可能性もあります。

特に中学受験の最後の1年は,ほとんどの人にとってあまり楽しいものではありません。どんなに辛くても,本人が心の底からその学校に行きたいと思っているかぎり, 前を向いて頑張れるはずです。逆にそうした気持ちがなければ途中で心が折れてしまうでしょう。

主体性は習い事をする際にも重要になります。普段から,多様な選択ができる機会を設け自分の選択にある程度の責任感を持つような環境を用意してあげることが大切になります。

処理能力

特にサピックスは,課題(家庭学習)の量が多いことで有名です。処理能力がそこまで高くないお子さんだと,次々と押し寄せてくる課題の波に飲み込まれ,夜遅くまで家庭学習をこなすだけで精一杯になり,他のことは何もできず毎日がそれだけで過ぎていくということになりかねません。

そうした状況で良い結果が出るとも思えませんし,そのままの状態が継続すると,小6に入ってからの成績は下降していく一方です。課題がスムーズにこなせない状態が続くのであれば,思い切ってレベルを下げるか,塾を変更することも視野に入れないと,先々取り返しがつかなくなります。

処理能力を高めるという意味では,低学年の頃に10~15分でできるドリルを毎日こなしたり,公文などに通ったりして,単純な計算能力を高めておくといいかもしれません。だらだらとやるのではなく,日頃から短い時間で集中して勉強する習慣をつけておくことが重要です。

私が以前指導して女子御三家に合格した生徒さんは,サピックスからの帰り道の電車内(20分弱)でほとんどすべての家庭学習をこなしていました。そうすることで,家では+αの勉強をしたり,ぎりぎりまで趣味を継続することができたのです。これほどまでではないにしても,処理能力があるかないかで,受験生活の過ごし方が随分変わってくることはお分かりいただけるかと思います。

忍耐力

ここでいう忍耐力とは,主に勉強面に関することです。すなわち,他にやりたいことがあっても我慢してまず勉強に取り掛かることができるか,あるいは勉強したい気分ではなくてもその日の課題をこなせるかということを意味します。

中学受験において,この種の忍耐力は極めて重要です。というのも,仮に小4の2月に入塾した場合でも受験本番までは約2年あるわけで,いくら自分から望んで始めたのだとしても,時にモチベーションが低下することは避けられないからです。ほとんどの小学生の場合,そうしてモチベーションが低下している状態でもある程度の勉強は続けておかないと,成績はあっという間に急降下してしまいます。

スポーツや,ピアノやヴァイオリン,チェロなどの楽器を本格的に習っているお子さんは,気分が乗らなくても毎日練習しなければならないという状況を体験していることが多いので,そういった意味では慣れがあるかもしれません。

学習習慣

入塾までに家庭で先取り学習を行っておき,学校の勉強+αの勉強をするという習慣は早いうちに身につけておいた方が得策です。学習習慣が無い状態でいきなり入塾してしまうと,課題の多さや進度に驚いてしまい,お子さんに過度なストレスがかかることになります。

処理能力のところでも触れた公文などは,算数の先取り学習だけでなく,学習習慣をつけるという意味でもプラスになるので,本格的な中学受験準備に入る前にまず通っておくといいかもしれません。中学受験する・しないに関わらず,幼いころから習慣づけておけば比較的容易に身につけることができるものですから,日頃から家庭で勉強する時間を大切にしていただければと思います。

要領の良さ

いわゆる試験というものが得意な生徒さんの多くに共通しているのは,処理能力や努力以外に要領の良さを持ち合わせているという点です。授業中も要点を的確に掴み,すぐに自分のものにすることができますし,手を抜いても大丈夫なところを瞬時に判断できるため,疲労やストレスを軽減することができます。極端な話をすれば,処理能力が極めて高く要領の良い人はそれだけで中学受験から大学受験まで乗り切れる,ともいえるでしょう(大学入学後の人生についてはまったく別問題です)。

真面目に努力することはもちろん大切ですが,それだけでは上手くいかないこともあるものです。 塾の課題に取り組んたり,小テストの準備をしたりする際にもすべての問題を真面目にやるのではなく,自分の苦手分野や,どの問題が重要かということを見極めて,そこを重点的にやることで,効率的に成果を上げることができるようになります。こうした取捨選択が苦手なお子さんの場合は,親御さんもサポートしてあげた方がいいでしょう。

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