【センター数学】出題傾向と対策

過去問大学入試

センター数学は英語と並んで,受験生にとって大きな関門となる科目です。
特に数学Ⅱ・Bは60分という試験時間に対して問題量が多いため,毎年時間内に解き切れない人が続出します。
また,どちらの科目もほぼすべての分野から満遍なく出題されることも受験生を悩ませる原因の1つといっていいでしょう。

この記事では,受験生のほとんどが選択する「数学Ⅰ・数学A」と「数学Ⅱ・数学B」の概要と出題傾向,対策について書きたいと思います。

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センター数学の概要・出題分野

2019年度のセンター試験本試験のデータを基に作成したセンター数学の概要は以下の通りです。

数学Ⅰ・数学A数学Ⅱ・数学B
配点100点100点
大問数5(第3問~第5問のうち2問選択)5(第3問~第5問のうち2問選択)
解答時間60分60分
平均点59.68点53.21点

また,出題分野は以下の通りです。

数学Ⅰ・数学A数学Ⅱ・数学B
第1問数と式・集合と命題・2次関数三角関数,指数関数・対数関数
第2問図形と計量・データの分析微分法・積分法
第3問場合の数・確率数列
第4問整数の性質空間ベクトル
第5問図形の性質確率分布と統計的な推測

出題傾向

次に,分野別に出題傾向を確認しておきましょう。
なお,数学Ⅱ・Bの第5問(確率分布と統計的な推測)はここでは取り扱いません。
多様なテーマのある単元で,センター試験のためだけに学習するのは得策ではないからです。

数学Ⅰ・A

① 数と式

1次方程式,・不等式,対称式,無理数,高次式,絶対値を含む方程式・不等式などの問題はミスなく素早くこなせるように問題演習しておきたいところです。
絶対値を含む方程式・不等式については,場合分けを苦手する生徒さんが多いと思います。
無理数の計算では,有理化や整数部分・小数部分に関する問題も出題されますので,不安な人は確認しておきましょう。

集合と命題は2017年度を除いて毎年出題されており,極めて重要だといえます。
特に必要条件・十分条件の判定問題は苦手とする人も多いので,しっかり演習を積んでおきましょう。

② 2次関数

この単元はほぼ全体が満遍なく出ると思っていた方がよいでしょう。
グラフ関連では,2次関数のグラフの平行・対称移動,2次関数の決定,頂点の座標を求める問題などが出題されています。

最大・最小に関しては,放物線の軸の位置によって場合分けを行う問題や置き換えを行う問題が頻出です。
特に前者の場合分けは苦手な人が多い部分なので,不安な人は重点的に演習しておくといいでしょう。

2次方程式・不等式は単独で出されたこともありますが、放物線の問題と絡めて出題されることが多いと考えておけば良いと思います。

③ 図形と計量

三角形の外接円を扱う問題が多く出題されています。
三角比の相互関係,変換公式,正弦定理・余弦定理,面積公式以外にも,中学数学で学習した図形の性質や,相似比・面積比・体積比などを利用する問題が出題されることもあるので,苦手箇所を中心にしっかりと見直しておきましょう。

④ データの分析

まず平均値,分散,標準偏差,四分位数,相関係数などの用語の意味と,それぞれの値の求め方はしっかりと確認しておきましょう。
また,箱ひげ図,ヒストグラム,散布図などのデータをしっかりと読み取れるようにしておく必要があります。

⑤ 場合の数と確率

問題文が長く,読み取ることに時間を取られるだけでなく,設定の確認などで国語力も要求される問題が出題されることがあります。
確率分野では,基本的な解法に加えて,条件付き確率は特にしっかりと学習しておきましょう。

⑥ 整数の性質

不定方程式の解法,ユークリッドの互除法はしっかり理解して使えるようにしておきましょう。
他には,余りによる分類,n進法,倍数の判定法,最大公約数・最小公倍数に関する問題もしっかりおさえておく必要があります。

⑦ 図形の性質

相似や三角形の重心・内心・外心,円の性質,角の二等分線の性質など,中学校で学習した内容を含め,基本的な内容を理解した上で演習を積みましょう。
特にチェバ,メネラウス,方べきの定理を利用する問題は素早く正確に解けるようにしておく必要があります。

数学Ⅱ・B

① 式と証明・複素数と方程式

この分野が単独で出題されることはありませんが,過去には指数関数・対数関数との融合問題として出題されたことはあります。
また,他の分野の問題を解く際の前提知識として要求される内容が多く含まれる分野なので,しっかりと学習をしておきましょう。

② 図形と方程式

単独で出されたこともありますが,微分法・積分法との融合問題として出題されることが多い分野です。
直線の方程式や2直線の平行と垂直,円と直線,軌跡などは重点的に学習しておく必要があります。

③ 三角関数

加法定理や2倍角・半角の公式,合成の公式などを利用する典型問題が中心となります。
時間制限を考えると,公式は覚えておいた方が良いですが,忘れてしまったときでも自分で導出できるように準備しておく必要はあるでしょう。

④ 指数関数・対数関数

基本的内容に対する理解力を問う問題が多く出題されていますが,2次関数などの知識を必要とする融合問題も出題されていますので,意表をつかれることのないように気を付けましょう。

⑤ 微分・積分法

接線や関数の増減・極値を調べる問題や,図形と方程式と関連して面積を求める問題が中心に出題されます。
配点も30点と大きいので,演習を積み重ね,確かな計算力を身につけておく必要があるでしょう。

⑥ 数列

等差数列・等比数列の一般項や和,Σの計算,階差数列,漸化式,群数列,帰納法など分量が多く,計算力も要求される分野です。
いくつかのテーマを融合し,問題文が複雑そうに見える問題も多く出題されています。
問題文の意図を正確に見抜き,誘導の通りに解く練習を積んでおいた方が良いでしょう。

⑦ ベクトル

平面か空間という違いはあれ,内積を含む計算問題が出題されてきました。
平面ベクトルの場合は2直線の垂直,空間ベクトルの場合は平面と直線の垂直条件などに注意しておく必要があります。
計算量が多くなる年もあり,特に苦手な人が多い分野なので,しっかりと準備しておきましょう。

対策方法

時間配分も含めた対策方法は以下の通りです。

時間配分

それぞれの科目の時間配分の目安は以下の通りです。
どちらも見直し時間は必ず確保するようにしましょう。
なお,()内の数字は満点を狙う人にとっての目安時間です。

試験が始まったら,まずは全体を見渡して,解きやすそうな問題から始めましょう

【数学Ⅰ・A】
第1問 12分(10分)
第2問 15分(12分)
第3問 15分(12分)
第4問 12分(10分)
第5問 12分(10分)

【数学Ⅱ・B】
第1問 15分(12分)
第2問 12分(10分)
第3問 15分(12分)
第4問 13分(12分)

満遍なく学習する

どちらの科目も特定の分野に偏ることなく出題され,その内容も多様化しています。
特に「数学Ⅱ・B」では,融合問題も多数出題されるなどの傾向が顕著にみられます。
分野別の学習に一生懸命になって融合問題対策を怠りがちな人も多いので、日頃から演習をして慣れておく必要があるでしょう。

計算は素早く正確にできるようにしておく

とにかく時間に対して問題量・計算量が多いので,個々の計算に時間をかけている暇はありません。
かといって,急ぎ過ぎてミスが多発するのも避けたいところです。
公式の丸暗記は本来であれば望ましくないのですが,時間の制約上,最低限必要な基本公式は瞬時に引き出せるようにしておく必要があるでしょう。
計算時間の短縮のためには,計算問題を解いている時に,自分なりの法則や計算テクニックを発見しておくといいでしょう。
裏技のような解き方が問題集などで紹介されていることもありますが,理解できないまま使っていると本番で痛い目を見ることがあるので注意が必要です。

場合分けは丁寧に

2次関数の最大・最小問題や場合の数・確率,整数問題などでは,丁寧に場合分けをすると思ったより簡単に答えが出ることがあります。
図をかくという作業同様,面倒くさがらずに手早くできるように練習しておきましょう。

図を素早くかけるようにしておく

特に図形や2次関数,微積分,ベクトルの問題で図をかくことは必須です。
面倒くさがらずに図をかくだけで,ある程度の方向性が見えることもありますので,手早くかけるようにしておく必要があるでしょう。

問題の取捨選択を間違えない

試験が始まったら,まず全体を見渡して,どこから解き始めるかを決めましょう
満点を狙う人以外は取れる問題から確実に取っていくことが重要です。
場合によっては最後の設問までは解こうとしないという判断も必要になってきます。
大事なのは,1つの問題に固執するのではなく,その科目における点数をいかに最大化するかということを常に意識しておくことです。

典型問題は素早く解けるようにしておく

典型問題としてパターン認識で解ける問題と,その場で考えなければいけない問題を瞬時に見分けられるようにしておきましょう。
典型問題の部分はなるべく短時間で処理することで,その場で考えなければいけない問題に対して時間とエネルギーを多く配分することができます。

問題文の誘導に上手く乗る

時間内で効率よく解答するためには,問題文全体を素早く正確に読み取り,誘導に乗ることが重要です。
必ずしも問題文と同じ順番で解く必要はない場合もありますし,(1)が解けなくても(2)は解けることもあります。
逆に,前の問題で求めた値を使わなければ次の問題が解けない,ということも度々ありますので注意が必要です。
それらは状況に応じて判断するようにしましょう。

また,条件の見落としで解けなくなってしまった人も見かけます。
条件部分に印をつけておくなどしておくといいかもしれません。

問題文全体を読み取るためには,問題集をやる時に解説を読んで筋道をきちんと読み解くよう習慣付けるほか,いつも解答までの過程をきちんと書く練習を積んでおくといいでしょう。
数式だけを羅列してしまいがちな人は,いったん流れを見失ってしまうと,そのまま迷子になってしまう可能性があります。

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