中高生のうちに読んでおきたい本

勉強法

読書はしばしば「心の栄養」と言われます。本を読むことで得られるのは知識だけではありません。他人の書いた本を読むことは他者(著者)の考え方・価値観に触れるということですから、読書は他者との対話であるということができます。しかも自分一人でじっくり時間をかけて他者と向き合うことで、対話をするだけでなく自分の考えをさらに深めていくことができるわけです。文字から状況を想像したり、著者の主張に対して疑問を抱く、あるいは問いを立てながら読んだりすることで想像力や問題発見能力を鍛えることもできます。

様々な本を読んでいると、ときに異質に思える考え方や文化、価値観に出会うこともあるでしょう。そんなとき、自分とは異なる考え方や価値観を排除するのではなく、柔軟に多様な価値観を受け入れることで、自分の視点を多様化させ、世界を広げることができるのです。そういう意味で、読書には自己と向き合うという側面もあるかもしれません。

また、日常では体験できないようなことも、読書を通じて疑似体験することができます。読書を通じて得られるものは知識や論理的思考力、思考の柔軟性だけでなく、視点を多様化することができるといえるでしょう。

おそらく人生で最も本を読む時間に恵まれているのは学生のときだと思います。この時期に多くの本を読み、多種多様な知識や価値観に触れ、思考を深めることで社会に出てからも役立つ能力を身につけることができるはずです。

読書の意義については、また別の記事で触れることにし、ここでは特に中高生のうちに読んでおきたい本を挙げていきたいと思います(大学生や社会人にとっても有益な本が多くあります)。また、本のリストやコメントは随時更新していきますので、1冊読み終えて次の本を探したいという時はまたご覧いただければ幸いです。

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読むときに心掛けたいこと

読書をするうえで心掛けておきたいのは以下のようなことです。
・必ずしもすべての本を最初から最後まで丁寧に読む必要はない
・読まず嫌いをせず、好奇心を持って読む
・読んだ本について誰かに説明してみる

必ずしも最初から最後まで丁寧に読む必要はない

本には読むべきタイミングがあります。最初に読んだときは難しい、つまらないと思った本でも、しばらく時間をあけて他の本を読んだり、経験を積んだりしてから読むと意外なほどに面白く感じてスッと読めることがあるものです。ですから、全ての本を最初から最後まで丁寧に読もうとしなくても構いません。今の自分にとって難しい本だなと感じたら、一旦脇に置いて寝かせておいて、他の本を読んでから再挑戦するのも手だと思います。

読まず嫌いをせず、好奇心を持って読む

「好きな著者、ジャンルの本しか読みません」という人を良く見かけます。楽しみとして読書をするのであればそれでも構いません。しかし、それではどうしても読書の幅が狭まってしまい、多様な視点に触れることが難しくなり、結果として自分の視野も狭まっていきます。それが極端になると、自分自身の殻に閉じこもり、異質な考えを拒絶・排除する方向に向かいかねません。

まずは読まず嫌いをせず、自分の心を開き、好奇心を持ちながら本と向き合ってみましょう。敢えて自分の知らない分野の本に挑戦してみると、既知の分野とのつながりなど、思わぬ発見があって面白いと思います。

読んだ本を誰かに説明してみる

本を1冊読んだら、どんな内容だったか家族や友人に説明してみましょう。アウトプットすることで、内容を自分の中でより消化できるようになり、理解が深まります。本好きの友人を作ってお互いに自分が読んだ本を説明しても良いですし、何人かで集まって読書会などを開くのも良いでしょう。読書会をやる際はなるべく本の好みが違う人で集まるとより刺激的で面白くなります。

まず読んでおきたい本

・川端康成『雪国』新潮文庫
・夏目漱石『こころ 坊ちゃん』文春文庫
・太宰治『走れメロス』新潮文庫
・芥川龍之介『羅生門 蜘蛛の糸 杜子春外十八篇』 文春文庫
・中島敦『山月記・李陵 他九篇』岩波文庫
・森鴎外『山椒大夫・高瀬舟』新潮文庫
・宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』新潮文庫

・ゲーテ『ファウスト-悲劇第一部』(第一部・第二部)中公文庫
・ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』岩波文庫
・エッカーマン『ゲーテとの対話』(全3冊)岩波文庫
・ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(上・中・下)新潮文庫
・トルストイ『アンナ・カレーニナ』(上・中・下)新潮文庫
・トーマス・マン『魔の山』(上・下)新潮文庫

・シェイクスピア『ハムレット』ちくま文庫
・シェイクスピア『マクベス』ちくま文庫
・シェイクスピア『真夏の夜の夢』ちくま文庫
・シェイクスピア『ヴェニスの商人』ちくま文庫
・ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』(全5冊)岩波文庫

・スタンダール『赤と黒』(上・下)新潮文庫
・フローベール『ボヴァリー婦人』新潮文庫
・ゾラ『ゴリオ爺さん』 光文社古典新訳文庫
・デュマ・フィス『椿姫』新潮文庫
・アレクサンドル・デュマ『モンテクリスト伯』(全7冊)岩波文庫
・アレクサンドル・デュマ『三銃士』(上・中・下)角川文庫
・セルバンテス『ドン・キホーテ』(全6冊)岩波文庫
・メリメ『カルメン』光文社古典新訳文庫
・ヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙』 NHK出版

・フィッツジェラルド『グレード・ギャツビー』新潮文庫
・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』新潮文庫
・マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』新潮文庫
・ジョージ・オーウェル『動物農場』ハヤカワepi文庫
・ジョージ・オーウェル『一九八四年』 ハヤカワepi文庫

・スティーブン・ジェイ・グールド『ワンダフル・ライフ』ハヤカワ文庫
・ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』(上・下 )草思社
・ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』(上・下) 河出書房新社

・河合隼雄『こころの処方箋』新潮文庫
・木下是雄『理科系の作文技術』中公新書
・本田勝一『日本語の作文技術』朝日文庫
・ファラデー『ロウソクの科学』角川文庫

新書

岩波新書などはどちらかといえば高校生や大学生、社会人を対象として書かれています。特に中学生が新書に挑戦する場合は、まず岩波ジュニア新書・ちくまプリマー新書などから読んでいくと良いでしょう。また、科学に興味がある人には講談社ブルーバックスがおすすめです。

岩波ジュニア新書

・原康『国際関係がわかる本
・鴻上尚史『「空気」を読んでも従わない
・小島俊明『ひとりで、考える
・名古谷隆彦『質問する、問い返す
・堤未果『社会の真実の見つけかた
・川北稔『砂糖の世界史

ちくまプリマー新書

・中学生からの大学講義 1『何のために「学ぶ」のか
・中学生からの大学講義 2『考える方法
・中学生からの大学講義 3『科学は未来をひらく
・中学生からの大学講義 4『揺らぐ世界
・中学生からの大学講義 5『生き抜く力を身につける』
・眞淳平『地図で読む「国際関係」入門
・苫野一徳『はじめての哲学的思考
・伊藤邦武『宇宙はなぜ哲学の問題になるのか

講談社ブルーバックス

・ジェームス・D・ワトソン『二重らせん
・ジェームス・D・ワトソン,アンドリュー・ベリー 『DNA―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで』(上・下)
・山田克哉『E=mc2のからくり エネルギーと質量はなぜ「等しい」のか
・須藤靖『不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか?
・山科正平『カラー図解 人体誕生 からだはこうして造られる
・岸本忠三・中島彰『現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病
・池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」
・池谷裕二『進化しすぎた脳

岩波新書、その他新書

・E・H・カー『歴史とは何か』岩波新書
・丸山真男『日本の思想』 岩波新書
・中谷宇吉郎『科学の方法』岩波新書

時事関連、その他

中高生の頃から政治や経済など、自分を取り巻く社会情勢、世の中の仕組みについて関心を持っておくことはとても大切なことです。家や学校といった限られた環境の中から物事をみるのではなく、現実社会で何が問題となっているのかを的確に把握することで、大局的な価値観を養うことができます。

・『これからの日本の論点2020』日本経済新聞出版社
・『日経キーワード 2020-2021』日経HR
・『文藝春秋オピニオン 2020年の論点100』文藝春秋

以下の3冊はインタビュー集です。ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、フリーマン・ダイソンなど斯界に名を馳せる知の巨人たちの言葉には、物事の本質を掴んだものが多く、世界の見方が変わると思います。

・『知の英断』NHK出版新書
・『知の逆転』NHK出版新書
・『人類の未来』NHK出版新書

・ミシェル・オバマ『マイ・ストーリー』集英社

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